【ここがポイント!確定申告】#3 税金の納付方法は?
2021(令和3)年分の所得税の確定申告書の提出期限は、2022(令和4)年3月15日です。
このコラムでは、確定申告書を作成するにあたって「ここがポイント!」という内容をご紹介します。
第3回のコラムは「税金の納付方法」についてご説明します。
近年、納付方法の種類が充実していますので、それぞれの方法のメリット・デメリットを踏まえて、確実に納税できるようにしましょう。
【目次】
1.税金の納付方法
税金の納付方法には、以下のように様々な方法があります。
それぞれの方法のメリットや注意点を踏まえて、自分に合った納付の方法を選択してください。
① 現金に納付書を添えて納付する方法
金融機関や所轄の税務署の窓口で、現金に納付書を添えて納付する方法です。
★メリット
・税目(税金の種類)や利用可能額に制限がありません。
・手数料が不要
★注意点
・金融機関や税務署の窓口が開いている時間のみ納付が可能です。
・金融機関や税務署の窓口での納付の場合、クレジットカードは利用できません。
② 振替納税
申告をした人(納税者)本人名義の預貯金口座からの口座引落しにより納付する方法です。
振替納税を利用する場合には、事前に振替依頼書を書面またはオンラインにより提出する必要があります。
★メリット
・1度手続きをすれば、次回以降の納税も自動的に口座振替により行われます。
(振替納税口座の変更や解約を希望する場合、所轄税務署が変更した場合は、所定の手続きが必要です。)
・手数料が不要
★注意点
・振替依頼書を、振替納税によって納付する税金の納期限までに提出する必要があります。
・残高不足などの理由により口座引落しができなかった場合には、法定納期限の翌日から延滞税がかかります。
振替日を把握した上で、振替日の前日までに預貯金残高の確認をしてください。
③ コンビニ納付(QRコード)
自宅のパソコンなどを使ってQRコードを作成し、そのQRコードを使ってコンビニで納付する方法です。
★メリット
・買い物などのついでに、納付を行うことができます。
・事前に、白紙の納付書を準備する必要がありません。
・手数料が不要
★注意点
・コンビニでの納付に、クレジットカードや電子マネーは使用できません。
・納税額が30万円以下までしか使用できません。
・利用可能なコンビニが、「④コンビニ納付(バーコード)」より限定されています。
ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(Loppi 端末設置店舗のみ)
ファミリーマート(Famiポート 端末設置店舗のみ)
④ コンビニ納付(バーコード)
税務署が発行したコンビニ納付専用のバーコード付納付書を使用し、コンビニで納付する方法です。
★メリット
・買い物などのついでに、納付を行うことができます。
・手数料が不要
★注意点
・コンビニでの納付に、クレジットカードや電子マネーは使用できません。
・バーコード付納付書1枚につき30万円以下までしか使用できません。
・事前にバーコード付納付書を準備しておく必要があります。
なお、 税務署で初めて申告する場合などは、バーコード付納付書の発行に相当の時間がかかる場合があります。
⑤ クレジットカード納付
インターネット上でのクレジットカード支払機能を使用して納付する方法です。
クレジットカード納付をする際には、専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスして手続きを行います。
なお、クレジットカード納付はインターネット上のみで可能であり、金融機関やコンビニ、税務署の窓口 でのクレジットカード納付はできません。
★メリット
・カード会社の規約に基づいたポイントが付与されます。
※ポイントの付与については、利用するクレジットカード会社でご確認ください。
★注意点
・1度の手続きにつき、1,000万円未満、かつ、利用するクレジットカードの決済可能額以下の金額まで利用可能です。
・納付税額に応じた決済手数料がかかります。
・クレジットカード納付は、振替納税とは異なり、納付の都度手続を行う必要があります。
⑥ インターネットバンキングを使った納付
インターネットバンキングを使って納付する方法です。
★メリット
・自宅からでもパソコンなどを使って納付できます。
・手数料が不要
★注意点
・事前にe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用開始手続きが必要となります。
・インターネットバンキングなどの利用手数料がかかる場合があります。
※e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、国税に関する各種の手続をインターネットなどを利用して電子的に行うシステムです。
⑦ ダイレクト納付
e-Tax(国税電子申告・納税システム)により申告書などを提出した後、申告をした人(納税者)本人名義の預貯金口座から、即時または納税者が指定した期日に、口座引落しにより納付する方法です。
★メリット
・自宅からでもパソコンなどを使って納付できます。
・手数料が不要
★注意点
・事前にe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用開始手続きが必要となります。
・加えて、ダイレクト納付利用届出書を書面またはe-Tax(国税電子申告・納税システム)で提出する必要があります。
2.所得税の納付の期限
① 令和3年分の所得税の納付の期限
令和3年分の所得税確定申告書の申告期限は、原則として令和4年3月15日(火) です。
税金の納付期限は申告期限と同じですので、令和4年3月15日(火) までに税金を納付する必要があります。
なお、申告書の提出後に税務署から納付書の送付や納税通知等のお知らせはありませんのでご注意ください。
※参考
個人事業者の消費税等の申告期限・納期限 原則として令和4年3月31日(木)
贈与税の申告期限・納期限 原則として令和4年3月15日(火)
② 振替納税で納付する場合
振替納税で納付する場合には、口座振替日は以下の通りとなります。
・令和3年分の所得税 令和4年4月21日(木)
・令和3年分の消費税等 令和4年4月26日(火)
先にも書きましたが、残高不足などの理由により口座引落しができなかった場合には、法定納期限(令和4年3月15日)の翌日から延滞税がかかります。振替日を把握した上で、振替日の前日までに預貯金残高の確認をしてください。
③ 期限内に納付できなかった場合は
税金を定められた期限までに納付できない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する「延滞税」がかかります。
④ 延納という方法もある
所得税には「延納」という制度があります。
延納とは、納付すべき税額の2分の1以上を令和4年3月15日(火)(※振替納税の場合は令和4年4月21日(木))までに納付すれば、残りの税額の納付を令和4年5月31日(火)まで延長できるという制度です。
延納を受ける場合には、以下の点に注意が必要です。
・所得税確定申告書の第一表の「延納の届出」欄に、金額を記入してください。
確定申告書A様式(令和3年分用)の場合 (50) 申告期限までに納付する金額 と (51) 延納届出額
確定申告書B様式(令和3年分以降用)の場合 (62) 申告期限までに納付する金額 と (63) 延納届出額
・延納をする場合には、延納期間中、年7.3%と利子税特例基準割合のいずれか低い割合で「利子税」がかかります。
3.まとめ
様々な納付方法をご紹介しました。
確定申告を行う方は、納付のスケジュールも踏まえて、早めに処理を進めるようにしましょう。
★ここがポイント!確定申告 ラインアップ
#1 新型コロナと医療費控除 マスクやPCR検査費用の取扱いを紹介しています。
#2 ふるさと納税の申告手続が簡素化されます 令和3年分から「寄附金控除に関する証明書」を添付できるようになりました。
#3 税金の納付方法は? (このコラムです。)
#4 土地建物を売った場合の確定申告 土地建物の譲渡所得について説明しています。
#5 令和3年分の確定申告期限は? 「簡易な方法」による期限延長申請について説明しています。
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